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「コンタクトレンズ トラブル多発」
手軽な使い捨てタイプが登場したり、量販店やインターネットでも買えるようになったりして、コンタクトレンズの利用者は千五百万人以上にまで増えている。その半面、利用者の十人に一人が結膜炎などの眼障害を起こすなど、レンズをめぐるトラブルも多発している。
「結膜炎や表面角膜症・・・」
トラブルで多いのは、アレルギー性結膜炎、角膜表面に細かい傷が付く点状表層角膜症、角膜表面がはがれる角膜上皮びらんなど。放置すると、傷が角膜細胞の奥まで広がり、緑膿菌やブドウ球菌に感染し、失明する恐れもある。
日本眼科医会理事で宇津見眼科医院(横浜市中区)の宇津見義一院長は「血管がない角膜は、涙を介して酸素を取り入れて呼吸しているが、酸素の不足した角膜は傷つきやすくなる。酸素透過性の高いレンズでも、角膜酸素濃度は富士山頂付近と同じくらいで、ただでさえかなりの負担」と話す。安全な使用時間は十二時間以内だという。
また、ハードレンズは一回のまばたきで角膜との間の涙が15-20%交換されるが、1%前後にすぎないソフトレンズはより負担が大きいという。異常を感じたらレンズを外して、なるべく眼鏡を掛けることも大切だ。
「使用法は必ず守って・・・」
宇津見院長は「いくらコンタクトレンズが進化しても、使用法を守らないと眼障害を起こす」と強調する。中には、レンズを洗浄せず、水道水を入れたケースに保存するだけだったり、一日使い捨てのレンズを一年間使い続けた患者もいたという。
また、日本眼科医会は三ヵ月に一回以上の定期検査を勧めているが、二〇〇二年度に眼障害患者を対象に実施した調査では、三ヵ月に一回以上検査を受けている人は四割にすぎなかった。
販売ルートが多様化する中、医師による処方のない販売が横行し、トラブルが絶えない。
そこで、来年四月から施行される予定の改正薬事法では、コンタクトレンズは従来の医療用具から「高度管理医療機器」となり、販売店は届け出制から許可制に変わる。
日本眼科医会の吉田博副会長も、「コンタクトレンズは失明の可能性もある医療機器であることを認識し、日本眼科学会が認定する眼科専門医で診療、処方、処方後のケアを受けてほしい」と呼び掛けている。
※以上 《神戸新聞 2004年11月1日(月曜日)》 掲載文より
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